マジックからインスピレーションを得る。 カルティエ ダブルミステリートゥールビヨン。
カルティエ パンテール チータ デコラティブ ジュエリーウォッチをご紹介した際に、コンプリケーションやジュエリーモデルにも注目すべきものがあるとお伝えしましたが、今日はカルティエを代表するグランドコンプリケーション トゥールビヨンモデル、ダブルミステリートゥールビヨンをご紹介したいと思います。
動作中の時計
なぜ、トゥールビヨンがカルティエらしいグランドコンプリケーションなのかというと、通常のトゥールビヨンに加え、「ダブルミステリートゥールビヨン」「インバーテッドトゥールビヨン」「ミステリートゥールビヨン(セレスティアルローテーション)」を発表し、ブランド独自の美的デザインでトゥールビヨンを時とともに鼓動するグランドコンプリケーションとして再解釈しているからです。
このカルティエ ダブル ミステリー トゥールビヨンに話を戻すと、この時計は2013年のSIHHジュネーブで、PT950プラチナ製の45mmケースにポリッシュ仕上げを施したモデルが発表されています。
反対側には、カルティエのアイコンであるリュウズをプラチナで囲み、リュウズ上部にはサファイアのカボションがセットされています。
ダークグレーの亜鉛メッキの文字盤全体には、12時位置に時刻表示を設け、ブルースチールの剣型針が時刻を示します。ムーブメントのブリッジにはローマ数字が用いられ、丸みのあるケース形状と相まって、軽快さを感じさせながら力強さを構築する、視覚的にバランスのとれた特別な形状となっています。 時分ダイヤルからケースの縁まで続くヌース模様は、実は後の透かし彫りモデルよりも効果的で、ダイヤルから直接ムーブメントを見ることができ、白い空間を利用して、下に吊り下げられたトゥールビヨンに目を奪われる芸術的な表情を作り出しています。
文字盤の下半分にあるトゥールビヨンは、防眩処理を施したサファイアクリスタルのディスクに収められており、一見するとムーブメントのどの部品とも連動しておらず、空中に浮かんで自転しているように見えます。 ダブル・ミステリー・トゥールビヨンの特徴は、クリスタルディスクの中でトゥールビヨンケージが2回転することです。1回転目は1分ごとに完全に回転し、2回転目は5分ごとに「回転効果」を発揮しますが、これを逆カンマにしてケースバックから下に解説します。
また、トゥールビヨンケージは、サスペンションの視覚効果を完成させるために一部の部品を覆っていますが、時計の裏側からはトゥールビヨン構造全体をはっきりと直感的に見ることができ、その回転効果は、実際にはサファイアクリスタルのディスクと構造全体が5分に1回回転し、着用者は片側ではトゥールビヨンケージが自分で回転しもう一方ではトラックに沿って走っていると思う錯覚を起こします。 また、ムーブメント9454MCは、従来のトゥールビヨンに比べて回転機構が追加されており、トゥールビヨンケージにチタンを使用するなど、ムーブメントの構成部品を軽量化し、動力損失を最小限に抑えるよう設計されています。 また、ムーブメントはジュネーブの認定を受けており、すべての部品は手作業で面取り、ブラッシング、ネジ頭の研磨などの丁寧な装飾が施されています。
この時計には、プラチナのフォールディング・クラスプを備えたブラックのアリゲーター・ストラップが付属しています。
結論から言うと、このダブルトゥールビヨン仕上げの時計作りのインスピレーションも、フランスのマジシャンであり、モダンマジックのパイオニアであるジャン=ウジェーヌ・ロベール・ウーダンから得ています。 ほとんどの手品は視線をそらすことによって行われるという事実に基づいて、カルティエは、カルティエが残したトゥールビヨンの部品を無視して、時計の上に浮かんでいるような感覚にさせるための回転性を狙うアイデアを考え、そのアイデアは面白く独創的でした。 こうした革新的なアイデアと、確かな時計製造のノウハウが相まって、カルティエの高級時計は常に驚きに満ちているのです。 同じカルティエの美意識のデザインです。