タイメックスの「Timex 80 グローインザダーク」を実機レビュー。

マニア垂涎の逸品が復刻

今回インプレッションを行うのは、タイメックスの新作、「Timex 80 グローインザダーク」。本作は、2011年に発売されたタイメックス製デジタルウォッチの復刻モデルである。パッと見た印象は、オールホワイトのカラーリングが爽やかな、樹脂製のスクエア型ケースを採用したスタンダードなデジタルウォッチ。しかし、暗闇の中に持ち込むとその印象は一変する。ケースとストラップに蓄光素材を採用しているため、全体がぼんやりと光を放つのだ。

タイメックス デジタル

タイメックス「Timex 80 グローインザダーク」Ref.tx-tw2y02600
ホワイトのケースと半透明なストラップが爽やかなデジタルウォッチ。外装に蓄光素材を採用していることが特徴だが、もちろん明るい場所でも魅力的だ。クォーツ。樹脂ケース(直径34mm、厚さ9mm)。30m防水。1万3750円(税込み)。
 2011年のオリジナル発売時は、日本国内にわずかな本数が入荷し、瞬く間に完売してしまったという。その後もファンからの根強いリクエストがあったのだろうか。2025年、日本だけの数量限定として復刻されたのである。当時を知る人にとってはもちろん、そうでなくても、蓄光樹脂製の外装は目を引くポイントである。幻の存在として語り継がれてきた、グローインザダークをレビューする。

蓄光樹脂製ケースが妖しく光る
 本作のベースとなっているのは、タイメックスを代表するデジタルウォッチ、「Timex 80(タイメックス エイティ)」だ。その特徴である、1980年代に普及したデジタルウォッチの意匠を取り入れたデザインは、グローインザダークにも引き継がれている。

 ベゼルが一体となったミドルケースは蓄光樹脂製。真っ白ではなく、やや黄色っぽさを感じるアイボリー、リシャールミル スーパーコピー代引きまたは乳白色のような色味だ。スクエア型ケースは、幅34mmと小ぶりなサイズ感。3時側と9時側のサイドにはそれぞれふたつずつ、金属製のプッシュボタンが備わっている。ベゼルはケースの形状に合わせた変則的な八角形であり、アクリル製の風防を保護している。

タイメックス デジタル

ベゼルと一体成型されたミドルケースは、レトロなスクエア型。サイドには金属製のプッシュボタンが備わっている。
 ケースバックは、ステンレススティール製だ。中央にはブランドロゴ、その周囲には、防水性能や使用している電池種別を表す文字が刻まれている。ケースバック自体は4つのネジによってミドルケースに固定されており、この構造によって30m防水が確保されている。ネジ溝はプラスやマイナスではなくY型。知識や技術のないユーザーが開けることを防ぐため、特殊な形状としているのだろうか。不用意に開けようとすると、ネジをなめてしまうことや、パッキンやムーブメントを損傷させてしまうことにもなりかねない。電池交換の際には、面倒でもプロに依頼すべきだろう。

タイメックス デジタル

ケースバックはステンレススティール製。4つのネジによってミドルケースに固定されている。
 せっかくの蓄光樹脂製ケースなので、十分に光に当てた後、暗闇に持ち込んでみる。発光する様子は、目に優しくぼんやりとしており、ずっと眺めていられるほどだ。実用面でのメリットは、暗い部屋の中でどこに時計を置いたかがすぐに分かるようになるくらいだろう。しかし、ただ外装が光っているだけで不思議と湧き起こってくるワクワク感は、それ以上の価値を提供してくれる。

タイメックス デジタル

暗所ではライトグリーン色に発光する。写真では分かりにくいが、ケースだけではなくストラップも光る。

通気性に優れる樹脂製ストラップ
 ストラップも蓄光樹脂製だ。ケースに比べると薄いため、半透明で裏側が透けて見える。本作は見た目に軽やかな印象があるが、それは恐らくこの半透明のストラップによるものだろう。ラグ幅は18mm。バネ棒によってケースに固定されているため、サードパーティー製に付け替えることは可能だが、純正以上に相性の良いストラップはそうそう見つからないだろう。むしろ、本作のストラップを別のモデルに装着する方が楽しみの幅に広がりが出るかもしれない。

 ストラップはケース側に蛇腹状のうねりを持たせ、裏面の中腹から先端に向けて、細かな溝を設けている。恐らく、装着時に肌への密着を防ぎ、通気性を確保することによって装着感を高める意図だろう。また、多少きつめに装着していた際、不意に引っ張られるようなことがあったとしても、多少の衝撃であれば蛇腹部分が吸収してくれるはずだ。遊環はひとつ備わり、ステンレススティール製のピンバックルが装着されている。ツク棒を通す穴は9個設けられているため、幅広い手首回りに合わせることが可能だ。

タイメックス デジタル

ケースは薄く軽量なため着用しやすい。ストラップには蛇腹状の部分があり、通気性が確保されている。
タイメックス デジタル

ピンバックルで固定するシンプルなストラップ。6時側には9個の穴が設けられているため、サイズ調整の幅が大きく、パートナーとのシェアウォッチとしても使いやすい。

やや黄色みを帯びたレトロな液晶
 スクエア型の液晶ディスプレイに目を移してみる。表示は至ってシンプルであり、説明がなくても容易に読み取りが可能だ。液晶の上部には月と日、その下に小さく曜日、さらに下部には大きく時分秒が表示されている。明解なレイアウトは、瞬時の判読性の良さにつながる。

 本作には通常の時刻表示の他、アラームとクロノグラフ機能が備わっている。8時位置のプッシュボタンを押下するごとに、時刻表示の画面から、アラーム、クロノグラフとモードを変更することが可能だ。アラームの画面では、10時位置のプッシュボタンでアラーム時刻の設定を、2時位置のプッシュボタンでアラームのオンオフを切り替えることができる。クロノグラフモードでは、2時位置のプッシュボタンがスタートとストップ、4時位置がスプリットとリセットをつかさどる。各プッシュボタンの機能は液晶を囲む枠に記載されているため、説明書に頼らずとも迷わず操作することが可能だ。

 時刻表示またはアラームの画面では、4時位置のプッシュボタンを押下することによって、インディグロナイトライトを起動することができる。押している間、液晶が発光し、暗所での視認性を高めてくれる優れものだ。アナログウォッチでは、針やインデックスがわずかな光を拾うことで、あるいは蓄光塗料を塗布することで暗所での視認性が保たれる場合がある。しかし、物理的な針などを持たない液晶表示のデジタルウォッチでは、そのようなことは望めない。こうしたバックライト機能は、本作のような時計にとって必須と言えるだろう。

装着感は良好
 軽量な樹脂製ケースであることと、幅34mmという小ぶりなサイズであることからも想像できるように、装着感は非常に良い。薄くしなやかな樹脂製のストラップも、着用時の快適さに貢献している。長時間着用していると、手首に着けていることを忘れてしまうほどだ。オールホワイトのカラーリングが見た目にも軽やかで、これからの季節、手元を爽やかに飾ってくれることだろう。

タイメックス デジタル

袖口にもしっかりと収まる。ちなみにこの状態で暗闇に持ち込むと、3時側半分のみ発光する。
 ただひとつ、使用していて気になるポイントがある。それは液晶の視認性の悪さだ。一般的なデジタルウォッチでは、白地に黒文字の液晶が搭載されている。その白と黒とのコントラストによって視認性を確保しているのだ。本作も白地に黒文字と言えるのだろうが、白というよりは黄色に近く、かつ液晶そのものの輝度があまり高くない。屋外などの明るい場所では不自由ないが、少しだけ暗い室内などでは、時刻を読み取ることに少々苦労する。インディグロナイトライトを起動すれば良いかとプッシュボタンを押すものの、そこまでライトが強くないため、やはり少し見にくい。ライトは暗闇の中ではしっかりと発光するが、半端な暗さの中では期待したほどの効果はないようだ。

懐かしくも新鮮な、遊び心にあふれた1本
 スタンダードなデザインのデジタルウォッチに、蓄光樹脂製ケースで強烈な個性を与えた本作は、いわゆる高級時計とは違ったベクトルの魅力的な時計であった。角が丸く、成型時のパーティングラインが浮かんだケースには、価格相応と言うべきか、お世辞にも高級感はなく、少し黄色がかった液晶は視認性の面で実用的とは言えない。しかし、それらがもたらす、程よく力の抜けた気軽さは、本作のような時計でしか味わうことのできないものだ。Timex 80は、1980年代のデジタルウォッチにオマージュを捧げるコレクションである。筆者は当時の製品を見てきたわけではないが、多少粗削りな部分があった方が“リアル”ではないかと思う。

 また、暗闇でケースとストラップが発光する様子や透けたストラップは、筆者に懐かしさを感じさせた。筆者が子供の頃、スケルトンや蓄光の玩具が流行していたのだ。本作を見て、幼い頃の子供部屋に散乱した、内部の基板が見えるスケルトンのゲーム機や蓄光樹脂で作られた怪獣のフィギュアが、ふと思い起こされた。透けていたり、光ったりすることに実用的な意味はない。しかし、そうあることでもたらされるワクワク感は、確実に存在する。

 今回レビューしたTimex 80 グローインザダークは、日本からのリクエストによって、日本だけで復刻されたモデルだ。そう考えると、本作は日本人の感性のどこかに響く存在なのだろう。手にしてみれば、今は忘れてしまった、しかし大切にしていた思い出に再会できるかもしれない。

ロレックスが、ディープシー Ref.136668LB、フルゴールド(一部はブルー)モデルを発表!

我々は皆、オイスターフレックスブレスレットの新型サブマリーナーが発表されるとばかり思い込んでいた。しかし、そうではなかった。代わりに我々が目にしたのは、ブルーとゴールドをサブマリーナーの型を受け継いだ、まったく新しい金無垢のディープシーである。ただ、この時計はより大きく、大胆で、ずっと深く潜ることができるのだ。44mmというサイズ感は、ゴールドのダイビングツールとしてはかなり頑丈な部類に入る。しかし、水面下にはもうひとつの隠れた機能がある。

Rolex
リングロックシステムとコンプレッションリングはセラミック製で、ダイヤルと色調を合わせた特徴的な曲線は、ロレックススーパーコピー 代引き専門店先代と比較すると控えめな印象を受ける。また、ダイヤル上の表記は、ケースの輝くイエローゴールドと対照的な渋みを帯びた色調だ。

重量のある時計に軽さをプラスしてくれるのが、RLXチタン製の裏蓋である。私としては、今日のW&Wのあと、手首にこの重さと大きさを感じる瞬間が待ちきれない。

我々の考え
文字どおり…これは大きい。44mm径の純然たるロレックスのディープダイバーズウォッチなのである。18KYG無垢製で、裏蓋はもちろんチタン製。一体私や読者の目にはどう映るのだろうか? 実物を見てみないと何とも言えないが、見た目は気に入っている。このような時計が必要なのかどうかはわからない。しかし、それを言っては時計なんて本当に必要なものだろうか?

私にとっては、ロレックスがコンビのエクスプローラーやシードゥエラーを発表したのに匹敵する大ニュースだ。その上、金無垢サブマリーナーはヴィンテージとモダンにかかわらず、ブルーとブラックの両方とも、最も愛されている貴重なロレックスのスポーツモデルのひとつである。ただこれはステロイド剤のようなもので、44mmはロレックスだと(ほぼ)最大の時計である。しかし、YGの重厚さが加われば、これはロレックスがつくる最大の時計と呼んでもいいかもしれない。

Rolex
ザ・クラウン(ロレックス)が何か新しいものを発表するとき、私はいつもディープシーにRLX(チタン)の裏蓋を採用した2022年のように、小さなディテールに注意を払う。今年、我々は同じケースバックを目撃することとなった。これはゴールドにはやや目障りではあるが、間違いなく必要な機能なのだ。それだけでなく、リングロックシステムとコンプレッションリングも刷新された。新しいセラミック構造により、視覚的な違和感が少なくなり、全体的にまとまりのある外観に仕上がっている。

しかし、上述したとおり、この時計は実物を見てみないことには分からない。続報を乞うご期待。

基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: ロレックス ディープシーゴールド(Rolex Deepsea Gold)
型番: 136668LB

直径: 44mm
ケース素材: 18Kイエローゴールド
文字盤: ブルー
インデックス: アプライド
夜光: あり、クロマライト
防水性能: 3900m
ストラップ/ブレスレット: 18Kイエローゴールド製ブレスレット

Rolex
ムーブメント情報
キャリバー: 3235
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
クロノメーター: あり

価格 & 発売時期
価格: 751万800円(税込)

パテック フィリップ アクアノート 5164Gの実機レビュー

ほとんどの人は、どれだけ手が届かないものであっても、いつかは手に入れようと心に決めている時計があるはずだ。私にとっての長年の憧れは、パテックのRef.5164であった。同僚のジェームズ・ステイシーと同じく、私も多機能なGMTが大好きで、アクアノートはその王者だと思っている。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
Ref.5164Aのディスコンについて書いたとき、私はそれを“愛好家に人気”と呼んだ。パテックフィリップスーパーコピー 代引き4万ドル(日本円で約618万円)以上もして、パテックのVIP以外はほとんど手に入らなかった時計に対して少し言いすぎかもしれないが、つけているのを想像するだけで素晴らしく、幸運にも本当に所有することができればさらに素晴らしい時計であるのは確かだ。クールなデザイン、快適なストラップ、スポーティな仕様(防水性からスティールケースまで)、黒のカラーリングなど、すべてが“クワイエットラグジュアリー”が流行する以前からクワイエットラグジュアリーの最高峰だった。

アクアノート・トラベルタイムにはエレガントさがあり、それは新しいRef.5164Gでも変わらない。私は旅行に行くとき必ずと言っていいほどロレックスのGMTマスターIIを使っているが、ケースの左側にあるプッシャーを使用する触感の魅力は格別である。新しいタイムゾーンを設定するには“フライヤー”GMTを使うのが比較的簡単だが(リューズを緩めて適当な位置まで引き出し、時を進めるか戻す)、5164のプッシャーを使用する感覚に匹敵するものはない。上のプッシャーはクリックごとに時針を1時間進め、下のプッシャーは時を戻す。いずれにせよスケルトナイズさせた時針で目立たせないようにしつつ、ホームタイムを指し示し続ける。またふたつの開口部はホームタイムとローカルタイムゾーンの昼夜を追跡(青が夜、白が昼)し、6時位置のインダイヤルでは日付を表示するなど、これは左右対称の美しい時計である。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
このタイプのデザインはパテックにおいて長い歴史があり、1960年代初頭のカラトラバ・トラベルタイム Ref.2597にまでさかのぼる。ジェームズ・ステイシーが2019年に執筆した5164RのHands-On記事で述べていたように、2597のムーブメントは、ワールドタイム機能の父と呼ばれるルイ・コティエ(Louis Cottier)の発想から生まれたものである。つまりRef.5164は、創造性という重要な系譜を受け継いでいると言える。しかし、アクアノート・トラベルタイムの大胆なデザインとスポーティさは、おそらくコティエが想像していたものをはるかに超えている。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
Ref.5164Aはもう入手できないが、パテックがこのロングランリファレンスを貴金属製の新バージョンで継続することは、ある程度予想できた。ただ私はパテックが新しいアクアノート・トラベルタイムを発表して、それをSS製の新リファレンスで提供してくれることを望んでいた。もしそれが発表されていたら、今年のように閑散としたWatches & Wondersでは最大のリリースとなる可能性が高かった。ただ、いまのところSS製のスポーツモデルを避けるというブランドの決定に沿ったものではなかっただろう。

またアクアノート・トラベルタイムのRef.5164がローズゴールド製でカタログに残っているため、2世代の時計がカタログに同時に掲載されることは考えにくかった。新しく再導入されたホワイトゴールドバージョンは(RGと)同じCal.26-330 S C FUSムーブメントを採用しているため、主にケース素材と文字盤/ストラップの色が変更されただけである。しかし手首への装着感も変わってくる。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
アクアノート・トラベルタイムは、市場で最もつけ心地のいいスポーツウォッチのひとつであり、素晴らしいカスタムカットのラバーストラップとデプロイヤントクラスプを備える。ケースの厚さは10.2mmとスリムで、2時から8時までの対角線幅は40.8mmである。また、ラグは手首を包み込むように下がっている。しかしゴールドにすると、時計の上部が重く感じられるようになる。これはブレスレットではなく、ストラップを採用した貴金属製スポーツウォッチの多くが抱える問題であり、重いケース素材がバランスを崩してしまうのだ。またパテックは防水性を5164Aの120mから30mに低下させるというより実用的な方法で、この時計のスポーティさを減らした。どちらの金無垢モデルにもシースルーバックが採用されていたが、残念なことに新しい防水性能はアクアノートを水中に持っていくことを少し躊躇させる仕様となった。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
しかし、フィット感やバランスの問題は、新しい文字盤の色と同様に個人の好みである。ロレックスは顧客の好みに合わせて色の選択肢を提供する傾向があるが、パテックはそのような道を選んでいない。彼らは使用する素材に対する自信(顧客の需要を無視してでも)、強いデザインセンスを持っている。何年か静かなリリースが続いたあと、パテックは“カーキ”のアクアノート・トラベルタイムを、WGやもっと大胆なプラチナ製でリリースして、“話題の波”を生み出したかったのではないかと想像していた。しかしパテックが引き続き需要を抑えようとしていることには、おそらく何か意味があるのだろう。5164Aの価格は、小売価格までとはいかないが徐々に下がってきている。

代わりにオパラインブルーグレーの文字盤、アクアノート・エンボス・パターン、WG製ケース、そして998万円(税込)の値札がついたモデルを得た。写真で見た限りでは、ダイヤルがライトブルーすぎて、私のような控えめなものが好きな人には装着できないのではないかと心配だった。長年夢見てきたクラシックな5164Aではないが、実物はより暗く見え、光の加減で変化していた。ということは、幸運にも手に入れることができれば、普段使いとしても活躍できそうだ。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
夢のアクアノート・トラベルタイムを手に入れるまでにはもう少しかかりそうだ。これは私が望んでいた時計ではないが、現在手に入るのはこのモデルだ。間違いなく5164Gは、現在13年続いているリファレンスモデル(カタログで最も長命のリファレンスだと思う)として、しばらくは残るだろう。パテックが1年後に新モデルを発表するためだけに、まったく新たなモデルを投入するとは考えにくい。そのあいだ、多くの人々が新しい5164Gを楽しむことになるだろう。ジェームズの言葉を借りれば、これは私が選ぶ最もクールな現代のパテック フィリップである。SS製アクアノート・トラベルタイムの夢を引き続き持っているが、いま必要なのはこの時計である。パテックが私にとっての聖杯を復活させてくれる日のために、もう少しお金を貯めておこう。

毎年恒例のこの祭典に、オリスはダイバーズ65にDLC加工を施した。

過去5年間、オリスは毎年6月1日に、1904年6月1日にスイスのヘルシュタインで会社が登録されたことを記念して、250本の限定モデルを発売している。だからこそ、オリスに120歳の誕生日おめでとうを一番に伝えたい。その年齢の半分でもあなたのように(素敵に)見えることができたらいいと思う。オリスによると、これらのヘルシュタインエディションはクールなデザイン(2023年版や2022年版を参照)で、通常のカタログにはまず登場しないような時計を作っているという。今年もその流れを継続し、今回は新たにブラックアウトのDLCコーティングが施されたダイバーズ65を発表した。

oris holstein edition 2024
オリス ダイバーズ65 ヘルシュタインエディション2024は、ブランドのおなじみのレトロダイバープラットフォームを使用しているが、そのすべてが黒で統一されている。40mmのケースはブラックアウトされたDLCコーティングのスティール製で、ダイヤル、夜光、針もすべて真っ黒だ。同様に、ラバーストラップとDLCコーティングされたバックルも黒い。ほかに見落とした部分はあるか? コルム スーパーコピー代引きベゼル、リューズ、裏蓋もすべてDLCコーティングされている。オリスがオールブラックの時計をつくったのはこれが初めてだ。

内部には、ヘルシュタインブランドの自社製Cal.400が搭載されており、高い耐磁性と約5日間のパワーリザーブを実現している。なお時計をMyOrisに登録すると、10年間の保証も受けられる。

2024年のヘルシュタインエディションは、6月1日よりブティック、小売店、オリスのウェブサイトで販売される。希望小売価格は66万円(税込)。250本生産されるこの限定エディションは、シリアルナンバー入りで製造する予定だ。

我々の考え
oris holstein edition 2024 divers sixty-five
“理由は特にない”と、オリスの共同CEOであるロルフ・スチューダー(Rolf Studer)氏は、ブラックアウトされたダイバーズ65のプレスリリースで述べている。この率直さには感謝したいし、オールブラックウォッチには何かしらの魅力があるのは間違いない。クールで秘密めいた感じがあり、しかもオリス初の試みだ。これが一般生産の時計であれば、その実用性や視認性について文句を言うかもしれないが、250本しかない限定モデルであり、この時計を手に入れるために急いで駆けつける愛好家たちは(先着順だ)これが最も機能的なダイバーズウォッチだから購入するわけではないだろう。

オリス ダイバーズ65は完全にヘリテージを意識したモデルであるが、それがモダンな雰囲気のブラックアウトバージョンで表現されるのは楽しい。それはどこかブラックベイ セラミックをほうふつとさせる。より現代的な素材とヴィンテージにインスパイアされたダイバーズウォッチの緊張感が、時にはうまく機能することがあるのだ。

基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ダイバーズ65 ヘルシュタインエディション2024(Divers Sixty-Five Hölstein Edition 2024)
型番: 01 400 7794 4784-Set

直径: 40mm
厚さ: 12.8mm
ケース素材: マルチピースステンレススチールケース、ブラックDLCコーティング
文字盤: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: あり、針とインデックスにスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブラックラバーのトロピックスタイルストラップ、DLCコーティングバックル

oris divers sixty-five holstein edition 2024
ムーブメント情報
キャリバー: 400
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
直径: 30mm
パワーリザーブ: 約120時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21
クロノメーター: なし(ただし日差-3/+5秒の精度を誇る)
追加情報: MyOrisに登録すると時計とムーブメントに10年の保証が付く

価格 & 発売時期
価格: 66万円(税込)
発売時期: 発売中
限定: あり、世界限定250本

グランドセイコー スプリングドライブ キャリバー9R 20周年記念限定モデル

スプリングドライブ キャリバー9Rの周年を祝うべく、グランドセイコーは2種類の赤文字盤モデルをリリースした。

昨日、グランドセイコーはスプリングドライブ キャリバー9Rの20周年を記念したふたつの限定モデルを新たに発表した。これはグランドセイコーがウォッチメイキングにおいて多大な貢献を果たした事実を称えるものであり、伝統的なゼンマイから機械的な力を得る一方で、電子および電磁部品を組み合わせることによってそれぞれ単体で使用するよりも大きな価値を生み出す“ハイブリッドムーブメント”というコンセプトを祝うものである。日差±1秒という驚異的な精度で知られるキャリバー9Rシリーズは、グランドセイコーの物語のなかで確固たる地位を確立。過去20年間以上にわたってグランドセイコーはこのコンセプトを進化させ、時刻表示のみの手巻きムーブメントから自動巻きクロノグラフGMTに至るまで数多くのバリエーションと、スプリングドライブの特徴を生かしたモデルを発表してきている。

Cal.9R31、手巻き式スプリングドライブムーブメント。

グランドセイコーのブランドに精通している人なら、ロレックス時計コピー Nランク 代金引換こうした限定モデルは往々にして文字盤が真の主役であることを知っているだろう。そして今回のリリースにおいても、まさにそのとおりになっている。

まずひとつ目のモデルであるSBGY035は、直径38.5mmで厚さが10.2mmだ。このモデルはほかのSBGYモデルにも見られるステンレススティール(SS)製のケースを採用しており、広く滑らかなケース形状は手首に密着し、ラグは比較的短い。グランドセイコーのデザインに通常見られるような鋭いエッジよりもより穏やかな傾斜を特徴としている。内部には手巻き式のCal.9R31を搭載しており、約72時間のパワーリザーブとスプリングドライブに期待される日差約±1秒の精度を誇る。

文字盤の外側に向かって暗くなるダークなグラデーションがいいアクセントになっている。

グランドセイコーが製造する文字盤の説明ではおなじみだが、SBGY035の際立った赤いカラーリングについてもブランドは詩的な表現を行っている。このモデルについては、「夜の静けさに包まれていた穂高連峰が朝日に照らされ、その輪郭がはっきりと浮かび上がり、美しい紅葉が現れる様子をグラデーションダイヤルで表現しました」とある。

ブランドの過去数年間のリリースを追っている人ならば、この文字盤のパターンが非常になじみ深いものであることに気がつくかもしれない。それはSBGA413“春分”(アメリカ限定モデル)や昨年発表されたRGモデルの傑作であるSBGY026“花筏(はないかだ)”と同じものであり、今回は美しい濃赤(こきあか)のフュメカラーが施されている。ビーズブラスト加工された“GS”ロゴやポリッシュ仕上げの秒針は、淡いローズアンバーゴールドで彩られた。この時計には赤茶色のクロコダイルストラップとデプロワイヤントバックルが組み合わされている。全世界で700本限定で、11月からグランドセイコーブティックと一部の小売店で販売が開始される予定だ。価格は116万6000円(税込)となっている。

この文字盤を見た瞬間、急にフルーツポンチが食べたくなった。

同タイミングでリリースされたもう1本のモデルが、自動巻きスプリングドライブを搭載したSBGA499だ。直径40.2mmで厚さは12.8mmと手巻きのSBGY035と比較して少しボリュームがある印象だが、ケースはより伝統的なフォーマットに則っているためより広い層への訴求が期待される。さて、この文字盤についてプレスリリースに書かれている詩的な表現を引用しよう。キャリバー9R 20周年記念モデルの2本目については、「鮮やかな赤色のダイヤルは、夜が明け、昇る太陽の光に照らされた穂高連峰がより一層輝く様子を表現」したとある。

自動巻きスプリングドライブムーブメントの特徴であるパワーリザーブインジケーターは7時から8時の位置に配置されており、本作では淡いRGの色合いでコントラストがつけられた。また、10気圧の防水性能がこの時計をより日常使いに適したものとしている。SBGA499の文字盤上でなめらかな動きを見せるCal.9R65は9Rファミリーで最初に作られたムーブメントであり、今回のリリースにはふさわしいムーブメントだといえよう。この時計は9月7日(土)から79万2000円(税込)で世界限定1300本で販売される。

SBGA499に搭載された自動巻きのCal.9R65。

我々の考え
グランドセイコーが限定モデルのために文字盤のカラーウェイを新たに提案するのは今回が初めてではないし、今回が最後というわけでもない。しかし実際にこれらを目にした際、その文字盤の美しさには驚かされた。私は普段、赤色を好まない。しかしとりわけSBGY035に関しては、中心に向かって明るくなる豊かな色合いのグラデーションとテクスチャーがこの時計に命を吹き込んでいるように見える。名作SBGA413“春分”が日本の繊細な桜の花を表現していたとすれば、この文字盤はまるで大きなチェリーパイの1片のようだ。ふたつ目の時計であるSBGA499では文字盤の色はさらに明るくなり、より強烈で電飾的な赤に感じられる。文字盤に施された鮮やかなサンバースト仕上げによって、よくも悪くも特に真昼間に目立つ時計であることは間違いない。私からすると少し赤が強すぎるため、もう少し暗めの色合いであればさらによくなると思うが、赤文字盤の愛好家からは異論が上がるかもしれない。

これらの時計が過去の多くのモデルのように地域限定ではなく世界中で発売されることを考えると、特にSBGY035においては非常に高い需要が予想される。SBGA499の数量がSBGY035のほぼ2倍であるのは価格帯によるものだと推測されるが、私からするとSBGY035のほうがはるかに魅力的な時計であり、特に限定版としてその価値が高いと感じる。欲をいえばSBGY035を限定1300本として欲しかったところだ。

基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
型番: SBGY035、SBGA499

直径: 38.5mm(SBGY035)/40.2mm(SBGA499)
厚さ: 10.2mm(SBGY035)/12.8mm(SBGA499)
ケース素材: SS
文字盤色: レッド
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 3気圧(SBGY035)/10気圧(SBGA499)
ストラップ/ブレスレット: 赤茶色のクロコダイルストラップ(SBGY035)/SS製ブレスレット(SBGA499)

ムーブメント情報
キャリバー: 9R31(SBGY035)/9R65(SBGA499)
機能: 時・分・秒表示、ケースバック側にパワーリザーブインジケーター(SBGY035)/時・分・秒表示、デイト表示、パワーリザーブインジケーター(SBGA499)
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 手巻き(SBGY035)/自動巻き(SBGA499)
石数: 30
クロノメーター認定: なし、ただし精度は±1秒/日

side view of GS
価格 & 発売時期
価格: SBGY035は116万6000円/SBGA499は79万2000円(ともに税込)
発売時期: SBGA499は9月7日(土)/SBGY035は11月9日(土)
限定: SBGY035は世界限定700本/SBGA499は世界限定1300本